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2012年12月13日

第5回家族会 お酒の飲みすぎが体に与える影響

12月12日、第5回家族会のテーマは 『過剰な飲酒による身体の障害』 でした。日本アルコール関連問題学会がまとめた 簡易版「アルコール白書」の内容を要約したものを下にのせておきます。


次回12月19日は 『アルコール依存症が子供に与える影響。 AC=アダルトチルドレンについて』を予定しています。

毎回テーマはあるのですが、それ以外の話題や質問も歓迎です。お気楽にお越しください。。


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世界保健機関(WHO)の推計によると、
・アルコールは死亡に関して8番目に大きい健康リスク
・DALY(障害調整生命年:寿命・健康のロス)に換算すると3番目に大きな健康リスク

日本でアルコールにより死亡したと推定される数は、平成20年では
 男性 23,583人、女性11,405人(合計34,988人)


<<臓器への影響>>
【アルコール性肝障害】
 アルコール依存症患者では約8割の人に肝障害がみられます。肝硬変になるのは2~3割です。

【脳の障害】
 脳の委縮は前頭葉に目立ちます。前頭葉は人格を司る部位です。性格が頑固でなかなか誤りを認めようとしなくなったり、ほれ込みやすく恨みやすくなることがあります。徐々に物忘れがひどくなり、やる気がなくなり日常生活ができなくなります。60歳以上のアルコール依存症者の5人に1人が認知症です。

【消化器疾患】
 癌は口腔、喉頭、食道など、アルコールに直接触れる場所におきやすい。特に食道がんは飲酒の影響を受けやすく、毎日飲酒喫煙をしている人は、飲酒も喫煙もしない人よりも6.7倍発生しやすくなります。食道がんはウイスキーや焼酎のような強い酒をストレートで飲む人に多いです。大腸がん、肝臓がんもアルコールとの関連があります。

【膵炎】 
 急性すい炎の35%はアルコールの過飲でおきます。慢性膵炎の60%は飲酒が原因です。

【糖尿病】
 アルコール依存症患者の入院時には35%に高血糖がみられますが、2週間禁酒すると15%に減ります。アルコール依存症で飲酒している糖尿病患者の5年生存率はとても悪く、20%程度です。

【感染症】
 アルコールは免疫力を抑えるので感染症にかかりやすくなります。

【突然死】
 アルコール依存症患者には突然死が多いです。低血糖や不整脈が原因であると考えられています。

【外傷】
 飲酒した時の転倒・転落による外傷はよくみられます。頭部を打撲して死亡したり、骨折などで障害が残ることも多いです。


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Posted by 奄美病院 アルコール依存症治療チーム at 08:59│Comments(0)アルコール依存症 家族会の資料
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